259 | 2015/05/30(Sat) 18:45 |
湧水の氷柱折りたる音の澄む
春の日の声張り上げて赤子泣く
朝靄や種まく人の影動く
年寄の秘密基地てふ蕗の董
初燕旅の話の賑やかに
258 | 2015/05/07(Thu) 13:57 |
夜半の雨雪とはならず春隣
日当りて耀ひ広げ霜の畑
吉報の予感抱きし春の空
雨匂ふ土の湿りのあたたかし
初披講まかされ尻のむず痒し
257 | 2015/03/02(Mon) 11:19 |
野晒しのりんご落ちたる音ひとつ
寒風へ踏み出すも尚逡巡し
曲り家の馬と住みいる囲炉裏端
仕舞ひ湯の長々柚子と遊びけり
人待てり聖樹輝く傍に立ち
256 | 2015/02/02(Mon) 20:35 |
秋の蝶遍路に母の影を追ひ
石段も砂場もさくら紅葉かな
冬晴れや師の背大きく高くあり
落葉焚昭和の匂ひ棚引きて
ひとつづ冬芽抱きて葉の落ちる
255 | 2014/12/27(Sat) 12:05 |
初雪の積りて街の音沈む
雪解川湖へ押し出す濁りかな
昨日より光増やして柿若葉
朝の日に水玉光る青田かな
いちじくや本音つかめぬ生返事
no_back |
page:1